朔夜のうさぎは夢を見る

おとなのための、こどもの日

 チビがいるのにイベントを外すのは間違ってる。
 てか、基本的に生真面目な生活送ってんだから、たまには羽目を外させてやってもいいと思う。
 つーわけで、こどもの日だ。

 まぁ、なんだ。俺からみればここは『異世界』だけど『過去』でもあるからな。
 いわゆる、正しい形での『端午の節句』は催されてるっぽいけど、俺にとってそれは『こどもの日』じゃねぇ。
 菓子は作れねぇし、菖蒲湯やるにも湯船に浸かるって習慣がねぇし。
 とりあえず、手近なところで兜を折ってやった。新聞紙なんかねぇから、折り紙サイズだけどな。
 折り紙の習慣もないっぽいから、素で喜んでくれた。
 で、よかったなぁって思ってほのぼのしてたら、知盛が草団子を持ってきたから、三人で食った。

 まあ、変なところもあるヤツだけどさ。性格ひねくれてるし、たらたら喋るし。
 けど、こーゆーところを見てると、こいつって意外にいい父親になるのかな、って思う。
 その日の酒の肴は帝が楽しそうに纏わりついてくれたことに対する感想がメインでさ。
 そーゆーのも悪くないって、笑ってるアイツの意外に優しい貌こそ悪くないってのが、俺の『こどもの日』の感想だった。

Fin.
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