朔夜のうさぎは夢を見る

かくいう還内府殿の場合

 あー、なんだ。
 うまく言えねぇんだけど、男とは違うよなぁ、って感じた時は、やっぱヤバい。
 色が白いなぁ、とか、手首が細いなぁ、とか。
 重いもん持ててない時とか、高い所に手が届いてないのも可愛い。
 頑張って、でも頑張りきれてないのが、くる。
 でさ、手伝ったりとかして、こっちには当たり前なのに感謝されたり尊敬されたりすると、しみじみ「女の子なんだよなぁ」って感じる。
 逆に、着物の歪みを指摘されたり、繕い物をしてもらっても、くるな。
 俺はそーゆーのにかなり無頓着だから、ギャップにいつも感心する。
 繕い物は特に、ついうっかり結婚まで連想しちまうから、俺的にはポイント高い。
 ばっちり綺麗に縫ってもらえると感動するし、多少残念な仕上がりでも、やってもらえるだけありがたいしな。
 それに、本人も残念なのは自覚あること多いじゃん?
 申し訳なさそうにしてたり、落ち込みながら渡してくれたりするのもいい。
 可愛いなぁ、って、つい和むワケだ。


(ふぅん。なんていうか、案外カワイイ趣味なんだね)
(そうですね。すれてなくて、実に微笑ましいですね)
(女性は苦手か? そんなことで、よく還内府が務まったな)
(お前らが過激なんだよっ!!)

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