源氏軍の元軍師殿の場合
激しさでしょうかね。
女性は我々男に比べて、思いが深い方が多いですし。
恋に焦がれて病に倒れるのも、息を呑むほどに美しくなるのも、女性である場合が圧倒的に多い。
身を投げるのも、生き霊となるのも、ね。
恋い焦がれた男に裏切られた女性の、あの、此岸にあるすべからくを怨み、呪う様などはたまりませんよ。
凄絶さの中に、目を惹き付けてやまない色香があります。
命を懸け、命を削るほどの恋など、男では滅多にできません。男には、奪うという最後の手段が残されていますからね。
その分、主に待ちわびるばかりの女性の思いのかけ方は、すさまじい。待つだけの己を振り切る際は、もはや神仏でさえ及ばない力に満ちていると言ってもいいでしょう。
まさに、魔性と呼ぶにふさわしいと思います。
(趣味が悪いね、相変わらず)
(あ、賛同者発見)
(でも、わからんではないかな)
(そうだな。一理ある)
(………マジかよ)