聖者の行進、愚者の秘蹟
聖なるかな、聖なるかな
万軍の神なる主。
主の栄光は、天地に満つ。
誉むべきかな、誉むべきかな。
主の名によりて来たるもの。
天のいと高き所にホザンナ
僕らは世界を崇め讃える。世界そのものを崇め讃える。
世界はあってなきに等しい存在によって支えられているらしい。時にソレは、神と、愛と呼ばれる。見えない、聞こえない、触れられないしかし尊いと声高に叫ばれる、ソレ。だから、世界を讃える人は、愛だとか神だとかを崇めるらしい。
耳にやさしい美辞麗句は、際限なく眠気を誘う。この際、子守歌と割り切ればいいだけの話だ。
大袈裟な溜め息をひとつ。だって、どうせ誰も聞いていない。
聖なるかな、聖なるかな。
天を仰いでいざ進めや偽りの神抱く聖職者たち。
そして足元の闇に気付かず呑まれたのなら、辛苦を知らず悦びのうちに永劫へと辿り着けるだろうよ。
Fin.